研究内容紹介

研究テーマ

幅広い研究テーマで研究を行っています。ここではその一部を簡単に紹介してきます。もっと詳しく知りたい人は研究内容をご覧ください。

誤り訂正符号

「誤り訂正符号」とは、携帯電話やインターネットなどでの通信時や、CD-ROMからの読み込み時など、 データを伝送する途中で(例えばCDに傷がある等して)混入したノイズなどによる誤りを発見したり、 誤りを訂正し元のデータを復元するという技術です。 情報理論における重要な研究課題の1つで、情報ネットワーク社会の重要な基盤技術です。 データの送信時、データを「符号化」と呼ばれる変換を施すことで、 誤りが混入しても後で誤りを訂正できる構造を持たせます。

効率よく誤りを訂正できるような符号を設計するには、代数やグラフ理論に関する知識が必要となります。 また、誤りが入ったデータから元のデータを復元するときには、 ノイズの混入したデータから元のデータを推定する必要があり、統計学や確率論の知識が必要となります。

情報源符号化(データ圧縮)

ZIP、JPEG、MPEGなどの圧縮ファイルのフォーマットは、容量の大きいテキスト、動画像、音声データを圧縮して容量の小さいファイルに変換するための符号化技術が用いられています。 このような符号化は情報源符号化と呼ばれています。

こうした情報源符号化技術は情報理論や信号処理の重要な研究領域で、インターネットでのファイル転送はもちろんのこと、 様々なデジタルコンテンツを配信、記憶するための基盤技術となっており、今後もますます重要性が高まっていくと思われます。

データをより圧縮するためには、文字や音声の統計的性質を利用します。そのため、情報源符号化の研究には統計学、確率過程、関数解析、アルゴリズム論などの基礎知識が必要となります。

情報セキュリティ

電子メール、電子商取引、電子政府などの基本技術で、デジタル情報の秘匿や署名などのための通信方式やそれらを用いたシステムを実現する技術で、情報ネットワーク社会における重要な基盤技術の1つです。

近年注目を集めている情報セキュリティ技術の例をして、ディジタルフィンガープリンティングがあります。 これは、ディジタルコンテンツの不正な再配布を防止する技術で、もし不正配布をされた場合でも不正配布元を発見することができます。 この他にも、情報セキュリティ技術はディジタル通信のあらゆる場面で必要とされており、様々な種類の研究が行われています。

情報セキュリティの研究には、代数・数論・計算量理論などの基礎知識や暗号理論や情報理論などの知識が必要となります。 また、誤り訂正符号の研究とも関連が深く、両者を関連付けた研究も行っています。

知識情報処理(学習理論,推論,データ解析)

知識情報処理は,コンピュータ上で人間の知覚・思考・意思決定を再現したり,コンピュータが得意とする高速演算を用いて大規模なデータから様々な有用な知識を抽出する様々な技術の総称です.

コンピュータの性能が高くなった近年,知識情報処理の研究成果は実社会の様々な場面で応用されています.例えば,ATMにおける静脈認証には学習理論におけるパターン認識という技術が用いられています.その他にも,メールクライアントのスパムフィルタやWebショッピングサイトの商品推薦システムなど,様々な応用先が考えられており,今後益々重要性の増す技術のひとつです.

知識情報処理の研究には、統計学、確率過程、関数解析、アルゴリズム論などの基礎知識が必要となります。 また、情報源符号化の研究とも関連が深く、松嶋研では両者を関連付けた研究も行っています。