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先輩からのコメント

松嶋研を卒業された先輩方からのメッセージです。

森谷 聡雄

所属

アクセンチュア株式会社 戦略グループ

仕事内容

私はクライアントの抱える経営課題を解決するコンサルティング業務に携わっています。2003年5月の入社以降現在まで3つのプロジェクトを経験してきましたので、それを下記にて紹介させて頂きます。

  1. 新規事業戦略(某大手通信会社)
    -クライアントが開発した新製品(新技術)の市場規模を予測し、競合他社の動向などからその市場の中の@)どの部分に、A)どのタイミングで、B)どのように攻め込むかのプランを策定
  2. ITガバナンス戦略(某大手メーカー)
    -年間数千億円かかっているIT投資にROIの視点を導入し、新たなIT投資ルール(ROI測定方法/投資判断ルール&プロセスなど)の策定と、それを実行しうる組織形態を設計
  3. 組織戦略(某製薬会社)
    -クライアントの営業戦略を立案し、その戦略を実行するにあたり最適な組織設計を策定

松嶋研とのリンク

現在の仕事内容と松嶋研究室で学んだ事とは専門知識としてはほとんど関係がありませんが、思考方法に関しては松嶋研で学んだ事と一致しています。学生時 代に松嶋先生や先輩方から事あるごとに問われてきた「この問題は本質的にはどういうことなの・・・?」「この問題をもっと広い・高い視点から眺めたらどう 解釈できるの・・・?」という質問とまさに同じ質問を現在では自問自答して仕事に取り組んでいます。この事実に思わず苦笑いすることがあるくらいで す。(笑)

松嶋研での思い出

私は松嶋研究室では不真面目な部類の学生でしたのであまりたいそうなことは言えませんが、松嶋研究室は「論理的思考とは何ぞや」「本質を見抜くとは何ぞ や」という事を「理屈」ではなく「体感」することができる研究室だと思います。(「理屈」と「体感」、この差は大きいです!)

また研究室の仲間と共に過ごした卒論研究・修論研究の経験は現在でも自分の糧になっています。冗談抜きで「仲間に支えられながらではあったけど、あの心 身ともに苦しい研究をまがりなりにもやり抜いた」という「事実」が重圧などに負けそうになった時の自分の支えになっています。
「あの時も何とかやり抜いたじゃないか!今度も何とかできる!」・・・と。

最後に

松嶋研究室での経験は社会で経験を積むことでよりその素晴らしさが理解できます。これは研究職の道に進もうが、全く関係のない道に進もうが共通して言え ることだと思います。松嶋研ではつらいこともあると思いますが、最後には松嶋研で良かったと思うことでしょう・・・松嶋研は必ずみなさんに何かが残る研究 室です!

北原正樹

所属

日本電信電話株式会社 サイバースペース研究所

仕事内容

研究開発(映像の圧縮符号化)

松嶋研について

私は今は研究職についていますが,大学に入ってから数年は勉強はほとんどやっていませんでした。ある意味で典型的な大学生でした。もちろん,コンピュー タも全然分かりませんでしたし,授業中はいつもバンドのことばかり考えていました。松嶋研を選んだのは,せっかく早稲田に入ったのに,この調子で大学生活 を終えるのはちょっと寂しいと思ったから。あと,(一度単位を落とした)松嶋先生の授業,しっかり聞くと,とてつもなく難しい内容のことをとても簡単に説 明してくれていることに気づき,“俺も社会人になったらこういうことができるようになりたいなぁ”と思ったからです。

研究室に入ったばかりの頃は,自分の力不足を幾度となく思い知り,悔しい思いをしたこともありましたが,そのおかげで随分成長して(自分で言うなっ て??)外に出ることができました。松嶋先生は,恐らく今でも相変わらず熱いハートで学生達と議論していると思います。なかなか,あそこまで学生と議論し てくれる先生はいまどき珍しいのではないかと思います。研究職につきたければ,松嶋研ほど良い研究室はないと思います。研究内容に関してはかなり自由度が あるほうなので,自分のやりたいテーマを見つけられると思います。研究職を目指してなくても,課題を論理的に考えて,それを人に伝える能力(これはどんな 仕事でも重要です!)を鍛えるのが松嶋研でやってることなんで,松嶋研で学んだことはおおいに仕事でもいきるはずです。

余談ですが,松嶋研はスポーツをよ くやるので,体も鍛えられます(これも社会に出ると重要です!)。

永留 義己

所属

株式会社ホライズン・デジタル・エンタープライズ(HDE) 取締役副社長

会社&仕事について

よく肩書きをみて、親の会社に就職したのですかと聞かれますが、そうではなく学生時代(というか松嶋研在籍中)に仲間と立ち上げたベンチャー企業の経営に携わっています。

会社は1996年創業ですから、早いもので今年で八年目となりました。創業当事はちょうどインターネットの普及が徐々に進んでいた頃で、ビジネスとして は自社ドメインでWebや電子メールシステムを立ち上げるための、インターネットサーバーの構築作業がメインでした。当然、小さい名もない会社でしたから 普通のサーバーをお客様に提案しても他社には勝てないので、当時は誰も着目していなかったLinuxというOSを採用することにより低価格を実現し、お客 様がシステムを簡単に構築出来るようにブラウザー経由で操作するサーバー設定用GUIツールを付けて、商売をしていました。

ただ、時代が変わり2000年ごろからLinuxが注目されはじめたことをきっかけに、このサーバー設定用GUIツールをソフトウェア単体で「HDE Linux Controller」という製品にし販売することにしました。LinuxでのCUIの設定を、ブラウザーベースのGUIで出来るようにしたシンプルな製 品ですが、このヒットし今までの出荷は5万ライセンス以上の実績となりました。今では、この他にもDBと連動したメール配信ソフトや、ウィルススキャン、 情報漏洩防止などのセキュリティ製品なども、開発・販売している、Linux業界では一応有名な(?)ソフトウェア会社となっています。

今は、会社でマーケティングを担当しており製品の企画や広告プランなどの立案を担当しています。

松嶋研について

研究室と会社を掛け持ちしていましたので、非常にハードでしたが、非常にためになりました。ゼミの発表のたびに先生や先輩から問題の本質を突っ込まれ、都度考えさせられましたが、その経験が難しい決断が求められるいまの会社でも非常に役に立っていると思います。

卒論のテーマは暗号でしたが、松嶋研では専攻する人が少なかったのですが、専門外先輩方も、快く相談に乗って頂き非常に助かりました。私は全然別の道を進む事になりましたが、研究に打ちこむ環境としては非常に良いのではないかと思います。

中川 尚

所属

大日本印刷(株)

現在の仕事

私の主な仕事はICカードを使用したアプリケーションの企画、設計、開発です。 ICカードはCPUとメモリを搭載した小さなコンピュータのようなもので、電子認証 の分野での利用が広まってきています。現在私が開発しているのはICカードに 格納された電子証明書と秘密鍵を使用して各種認証処理を行うライブラリです。 簡単な例では、電子商取引での本人認証や電子メールの暗号化などへの応用が 挙げられます。

これを書いている時点でまだ入社2年目ですが、最近新たに導入したICカード用 のアプリケーションの設計を任され、新聞発表もされました。また、部屋に篭り っきりで開発ばかりやっているわけではなく、得意先へ出向いて商品の説明を したり、導入に向けてのコンサルのようなことをしたりと、業務範囲は割と広く、 なかなかやりがいのある仕事です。給料は安いですが。

松嶋研について

私の理解では、松嶋研は「論理的思考能力」と「物事の本質を見極める能力」 を育む研究室です。大学の研究室と言うと、研究室の専門分野が重視されがち です。確かに、専門性を身に着けるのは大事なことです。ですが、専門性は 卒業してからでも身につけられますし、大学を出たばかりの専門性が即戦力に なることは稀です。松嶋研では専門分野を学んでいく課程で、そのベースとなる 考え方(先生は「基礎体力」と言っていました)を育てることを重視しています。

あいまいでわかりにくいかもしれませんが、「論理的思考能力」と「物事の 本質を見極める能力」の意味は今は文字通り受け止めてください。本当の意味を 文章で語るのは難しいです。ですが、これを身に着けた人間とそうでない人間 には大きな差がでることは確かです。「基礎体力」のある人間なら、専門外の 分野であろうとすぐにものにすることができます。

初めのうちは、ゼミなどで先生や先輩と接すると、歴然とした力の差を感じ させられました。でも、1年、2年と松嶋研でもまれているうちに、いつのまにか 自分も「先輩」になっていて、後輩に教えたり、歯が立たなかった先輩と対等に 議論したりできるようになっていました。

と、まぁここまで真面目に文章を書いてきましたが、松嶋研のもう一つの いいところは「自由」というところです。もちろん自由には責任が伴いますが、 基本的に研究のペースは個人に任されています。自分のペースでやっていれば 遊んでいようが酒を飲んでいようが勝手です。かくいう私も遊びには誰にも 負けないくらい熱心でした。

辛いときははっきり言って「こいつは鬼か?(誰?)」と思うほど辛いですが、 非常に居心地の良い研究室だと思います(居心地がよくてついつい連泊してしま うことも・・・)。

最後に一つ。たとえ研究で成果があげられなくても、松嶋研で頑張っていれば 必ず手に入るものがあります。それは「仲間」です。楽しいときや辛いときを共に 過ごした仲間は一生ものの宝になります。私は今でも当時の同期や先輩、後輩と 遊んだり、飲みにいったりすることがあります。いずれは一緒に仕事をすることも あるかもしれません。こんな仲間はそう簡単にできるものではないでしょう。  今はわからないかも知れないけれど、卒業する頃には必ずわかります。松嶋研に して良かったと。

あぁ、いい事言った・・・。先生なんかおごってくださいね!

斉藤 幹也

所属

国際協力事業団(JICA)

現在の仕事

国際協力事業団(通称JICA)は名前から想像できるとおり、国際協力を実施する政府特殊法人。先進各国は開発途上国の経済・社会的な安定、向上を支援 するため、様々な形態で開発途上国に対する協力を行なっています。国連機関をはじめとする各種国際機関、NGOなど様々な組織があらゆる分野で開発途上国 への協力を実施しているのをテレビ、新聞等で見たことのある人もいるでしょう。その中で、国際協力事業団が担当するのは二国間援助といわれる日本国と相手 国間の一対一の協力。ここでは日本国がもつ独自のノウハウを活かした協力が行なわれます。このような政府の公的資金による開発途上国支援は政府開発援助 (ODA)と呼ばれ、国際協力事業団は開発援助実施のプロ集団として鉱工業、農林水産業、医療、教育、環境といった様々な分野で協力を行なっています。

松嶋研究室との関連性

こんな仕事が松嶋研究室とどう関係してるのか。先に述べたとおり、国際協力事業団の仕事は日本のもつ技術を活かした協力。実は戦後しばらく日本も援助さ れる側の一員でした。かつての被援助国は工業力を推進力とし、20世紀の奇跡といわれるまでの成長を遂げ、先進国の仲間入りを果たした訳です。残念ながら 工業経営学科は私の卒業と同時に経営システム工学科と名称を変更しましたが、(※注)かつての工業経営学科の専門であった工業における管理ノウハウは日本の工業発 展の秘密の一つとして、今もって開発途上国から垂涎の的なのです。松嶋研究室の専門は「知識情報処理」。専門だけ見れば一つの特定分野ですが、研究を通し て適用できる範囲・対象は経営システム工学科の他分野を含め実に広い(らしい)。何より研究の過程で培われる「考え方」は社会人になっても役に立つはず。 かく言う自分も今頃になって、もっと一生懸命取り組んでればよかったと反省している次第です。マンガばっかり読んで「えぞ菊」でラーメン食べてました。

(※注)松嶋研究室は、2006年度まで現経営システム工学科(旧工業経営学科)に所属していました。

松嶋研究室での3年間

今ではドクターを多数抱えた強力な布陣を誇る松嶋研究室ですが、かつては学生6名でスタートしたアットホームな研究室でした。ゼミはつらいこともあった けど、松嶋先生の解説が分かりやすくて面白かった。研究生活はつらいのか、との心配は無用。日頃はこれでいいのかと思うくらいくつろいで、いよいよまずい という段階で集中するのが研究室の主義だから。(今は違うのか?)研究はもちろん、スポーツ、飲み会、週刊誌いずれをとっても充実した松嶋研は第2の実家 でした。(了)

前田 康成

所属

(元)NTT東日本・技術部・知的財産担当

仕事

知的財産管理

コメント

 「問題の本質を考える」を合言葉に、連日夜遅くまで、時には翌朝まで我々学生の研究に御付き合い下さった松嶋先生の研究に対する姿勢から、我々は多くの ものを学ばせて頂きました。また、自分の研究を遅らせてまでも、後輩の研究の指導にあたってくれるような先輩は他の研究室には、まず、いないでしょう。