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研究業績詳細

タイトル 記憶のある通信路における誤り訂正符号の復号法に関する一考察
著者 早速新
年度 2005
形式 卒業論文
分野 通信路符号化
掲載雑誌名 早稲田大学卒業論文
掲載号・ページ
掲載年 2005
掲載月
アブスト
(日本語)
近年,インターネットや移動体通信などの情報通信技術の発達とともに,通信路で発生する雑音の影響を取り除く誤り訂正符号は欠かせない技術となっている.高性能な誤り訂正符号の中でも特に,LDPC(低密度パリティチェック) 符号[1] が注目を集めている.またLDPC 符号を送信する通信路において,雑音の発生の仕方に記憶のある性質を仮定した復号法の研究がさかんに行われている.LDPC 符号は復号アルゴリズムとして,周辺事後確率計算アルゴリズムであるSum-Product アルゴリズム(SP)[1] を用いている.SP は,複数の離散型確率変数を持つ結合分布が定義された確率モデルにおいて,そのうちのいくつかの変数の実現値が与えられたもとで,未知確率変数の周辺事後確率を計算するアルゴリズムである.因子分解可能な結合分布の構造は,ファクターグラフ(FG)[1] と呼ばれるグラフィカルモデルによって表現することができ,FG が木構造となる場合はSPを用いて正確な周辺事後確率計算ができる.LDPC 符号のFG は木構造とはならないが,SP による計算結果は周辺事後確率を近似することが実験的に知られている.また,記憶のある通信路のモデルの一つに,任意の時点の雑音の発生が,直接観測することができない状態によって決定される隠れマルコフモデル(Hidden MarkovModel,HMM) 通信路がある.HMM 通信路の確率モデルのFG は木構造となることから,SP によりある雑音が発生した元での状態の推定を行うことができる.記憶のある通信路に対してLDPC 符号を用いた通信を行う場合の復号法として,符号と通信路それぞれのFG にSP を用いて,その出力(周辺事後確率) を相互利用するという操作を反復することで復号を行う方法がある[2][3].この方法の確率モデルのFG は木構造とならないため正しい周辺事後確率計算にはならないが,復号ビット誤り率の観点からは良い性能を示すことが実験的に確かめられている.しかし,近似周辺事後確率計算の計算精度という点では評価されていない.そこで本研究では,この復号アルゴリズムを符号復号器と状態推定器の2 つのシステム間でSP の出力を相互利用する方法と捉え,状態推定器における周辺事後確率計算の近似精度を実験的に検証した.具体的には,FG が木構造となる畳込み符号を用いることにより,状態推定器が符号復号器における近似の影響を受けないような元で,より正確な状態推定ができるような条件を求めた.この結果をもとに,実際の通信路のモデル化においてしばしば考慮される,バースト誤り(連続して生じる誤り) を仮定したHMM 通信路における復号アルゴリズムを提案する.
アブスト
(英語)
備考
(日本語)
本論(研究室内のみアクセス可能)
発表資料(研究室内のみアクセス可能)
備考
(英語)
論文原稿
発表資料